こんにちは、凡才です。
ユダヤの子供たちが受ける英才教育「タルムード」の教えを、
説話として紹介するシリーズです。
今回は「用心しすぎたアラブの商人」という説話についてです。
- どこに行くにも荷物が多くなってしまう人
- 備えあれば憂いなしと思っている人
参考書は以下です。
「用心しすぎたアラブの商人」のあらすじ

早速あらすじを見ていきましょう!
アラブ商人の若者が砂漠横断の旅に出ることになりました。
3日ほどで砂漠は抜けられる予定でしたが、
砂嵐があったら大変だ、と考えて通常必要な倍の六樽もの水を運ぶことにし、
そのために2頭のラクダを買いました。
積み荷と水樽を携え出発すると、砂嵐は来なかったものの
樽の重さにラクダがダウンして歩けなくなってしまいました。
仕方なく若者はラクダは捨て、1番大事な積み荷だけを背負って歩くことにしました。

ついつい過剰な荷物を用意しちゃうのわかるな…
私も1泊2日の旅行でかなりの荷物持っていくし

私は旅行とかでも結構荷物少ない方なんですが、
同じ旅行に行くのに
「無人島にでも行くの?」ってぐらい荷物持ってくる人もいますよね(笑)
今回のお話の商人も、初めての砂漠横断ということで
緊張や万が一の備えということも考えて多めの水樽を用意したのでしょう。
さて、若者の結末はどうなるでしょうか。
積み荷を背負って歩き出して半日と経たないうちに、恐れていた砂嵐が襲ってきました。
砂嵐の中では方向が全く分からないので、収まるのを待つしかありません。
しかし、砂嵐はそれから三日三晩続き、ついに食料は尽きてしまいました。
4日目の朝になってようやく砂嵐は収まりましたが、
積み荷を背負って歩く力はもう若者には残っていませんでした。
命には代えられない、ということで若者は積み荷を捨て、
水筒だけを持って命からがら近くの村までたどり着くことができました。
結果として彼は、ラクダ2頭と大事な積み荷もすべて失ってしまいました。

なんて日だ!今日は一体なんて日だよ!!

予定がしっちゃかめっちゃかだ!
って感じですね(笑)
この説話には我々日本人にも耳が痛い部分があります
「用心しすぎたアラブの商人」の教え

さて、ただの不運な若者の話、と片付けるのではなく、
この説話から学べることを見ていきましょう。
リスクと同様、備えにも「適正」がある!

これまでの説話で繰り返し伝えられてきたように
「リスク」には適正値があり、リスクを避けてばかりでは成功も得られない、
という教訓がタルムードの一貫した教えの1つです。
今回はそんなリスクへの「備え」について触れた説話です。
若者は多めに用意した水樽が原因で、
結局はラクダも積み荷も失うことになってしまいました。
リスクと同様、備えにも「適正」を考える必要がある、ということです。
リスクとリターンが裏表であるように、リスクへの備えにもそれ相応の「負担」が求められます。
リスクが怖いからと盤石な備えを考えるのは簡単ですが、それを維持するには相当な負荷がかかるのです。

でも、昔から「備えあれば憂いなし」っていうし…

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とも言いますからね
何事もやりすぎはよくありません
だからこそ、大切なのは「リスク」の大きさを見極め、
「負担」とのバランスをみて適正な備えを講じることです。
ありがちな過剰な備えは「保険」

そんな過剰な備えはしてないから大丈夫♪
という方も、本当ですか?
日本人がよくやりがちな典型例が「保険の入りすぎ」です。
以前の記事でも紹介しましたが、
日本は世界最強クラスの社会保険制度が整っています。
にもかかわらず、日本人の88%が何らかの生命保険に加入しており(2018年)、
1世帯当たり平均月額約3.18万円を負担しているといいます。

日本の保険市場は世界第3位の規模であるとも言われます。
家庭環境やライフスタイルによるので一概に断定できないのは承知していますが、
これって「適正な」備えだと思いますか?

なんかあったら大変だから、
とりあえず保険会社の人に勧められたものに入ってます
実は保険内容はよく知りません…
という方も多いのではないでしょうか。
決して「保険なんて入るな!」と言いたいわけではなく、
自分の「リスク」を把握したうえで適正な「備え」にしましょう
ということです。
社会保障でカバーされている部分に重ねて民間保険に入るのは、
必要な倍の水樽を用意した今回の商人のような行いです。
まとめ
今回は、タルムード説話「用心しすぎたアラブの商人」について紹介しました。
なんて日だ!多めに用意した水樽で大切なものを失ってしまった商人の話
リスクには「適正」な備えを。過剰な備えは身を滅ぼしかねない

確かに、保険入りすぎてたかも
ちょっと見直ししてみよう!

どちらにせよ補償内容を把握していないと、
どんな時に保証してくれるかわかりませんからね
以上、凡才でした。
よろしければ次の記事もご覧ください。
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