こんにちは、凡才です。
前回の記事で伝えたいことが正しく伝わらない原因について解説しました。
とはいっても、

相手に伝わる文章を書きたいけど、どこから手を付ければいいのかわからない!

どういうことを意識すれば相手に意図が伝わるの?
といった感じで、伝わることに関する疑問を持たれる方も多いのではないでしょうか。
今回は伝わる技術を使う前の段階として、「伝わる構造」を紹介していきます。
「構造なんていいから、早くテクニックを教えてくれよ!」
と思う方もおられるかもしれません。
しかし、何かを身につけるときには、まず構造を理解すると全体像や本質が理解でき、
結果的に技術の習得そのものがスムーズにいくものです。
焦らず確実にステップを踏んでいきましょう。
- 相手に伝わるまでにどんな段階を経ているのかがわかる
- 相手に伝えるために意識するべきことがわかる
参考書は以下です。
「伝わる」は7段構造!

はじめに結論です。
「伝わる」は以下のような7段構造になっています。
- ゴール設定
- 納得感
- 相手ベース
- 見える化
- 聞く力
- 親近感
- 信頼感
順番に解説していきます。
ゴール設定
まずはゴールを明確にします。何事も目標設定は最初に行いましょう。
なぜなら目標が決まっていないと、
自分がいまどの地点にいるのかという現状の把握さえできないからです。
「手順を伝えたい」「商品を買ってもらいたい」「仲良くなりたい」など、
あなたは何のために相手に伝えたいのかをはっきりと認識しておきましょう。
納得感

相手に納得感がなければそれは伝わったことになりません。
よく「人間は論理ではなく感情で動く」といいます。
どんなに論理的に正しいことでも、人間は納得できないことに対して行動を起こすことはないのです。
そのため相手の納得感を得ることは、アクションをとってもらうために伝える場合、
特に大きな意味を持ちます。
逆に言えば納得感があれば、合理的ではない行動でも起こしてもらえる可能性があるのです。
このあたりの心理をうまく利用しているのが
「行動経済学」と呼ばれる領域に基づいたマーケティングです。
今回の本筋からは逸れるので参考資料に譲りますが、
あなたものせられたことがある戦略が見つかると思うので、読んでみると面白いですよ。
相手ベース
職場でこんなやりとりを聞いたことはありませんか?

昨日話してた案件のこと、先方に伝えてくれた?

はい!伝えましたよ!
でも、あんまり分かってくれてなさそうでした…

それって伝わってないってことじゃない?

でも僕はちゃんと言いましたよ!
このやりとりのちぐはぐさの原因は、Bさんの「伝える」が自分ベースになっていることです。
「(自分が)言った」=「伝わった」と考えているからです。
しかし、前回の記事でも紹介したとおり、相手が正しく理解してくれていないなら、
それは「伝わった」ことにはなりません。ただ言いたいことを「伝えた」だけです。
自分ベースで伝えている人は、正しく伝わっていないことを相手に原因があると考えることもあります。
「自分は何回も言ったのにあの人が聞いてなかったんだ!」
という言葉、どこかで聞いたことありませんか?
一方で、相手ベースで考えられる人は表現方法を変えたり、
実際にやって見せたりして相手に正しく伝わるような工夫ができます。

山本五十六の言葉が有名ですね。

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ」
これは人材育成を念頭に置いた言葉のようですが、
伝えるという目的のためにも通ずる部分がありますね
伝えるは相手ベースで考える、これは大変重要なポイントです。
見える化

相手に伝わって行動を起こしてもらうには、
相手の頭の中に「見える化」させることがポイントです。
例えば、TV通販を見ていると大抵
「あなたにもこんな経験ありませんか?」という話題から始まります。
そこで相手の共感を引き出した後に、「そんな悩みを解決できるのがこの製品!」
という流れにもっていくことで、商品を使っている姿を相手に思い浮かべてもらうのです。
実演や一般のモニターに体験してもらって効果を伝える映像が多いのもこのためです。
相手に「見える化」させるということは「自分事として捉えてもらう」ことにつながり、
結果として相手が行動を起こしてくれやすくなります。
聞く力
意外に思われるかもしれませんが、相手に自分が売りたい商品を買ってもらうには、
「相手の話を聞く力が重要」なのです。
優秀な営業の方は「自分が推したい商品を薦める」のではなく、
「相手の話を聞いて、自分たちの商品の必要性がどこにあるかを見つける」のだそうです。
また、心理的にも人は自分の話をよく聞いてくれる人には何かしらお返しをしたくなります。
いわゆる「返報性の原理」です。
逆にただ自分が薦めたい商品を押し付けるような話し方だと煙たがられてしまいます。
自分の話を伝えたければ、まず相手の話を聞く。
矛盾してそうで大切なポイントです。
コミュニケーションにおける聞くことの重要性は以下の記事でも紹介しています。
親近感
伝えるうえで親近感も重要な要素になります。
例えば嫌いな人の言うことって、たとえ間違ってなさそうなことでも
「認めたくない」「信用できない」と思ってしまいませんか?
逆に親近感がある人だと、少しくらい違和感があっても受け入れてしまうことが多いです。
そんな伝えるうえでポイントになる「親近感」にはわかせ方があります。
- 相手との共通点を見つける
- 相手に興味を示す
- 自分のダメなところ・失敗談などをさらけ出す
- 笑顔で話す

共通点を見つけたり、興味があることを示すうえでも、
相手の話をよく聞くことが効果的ですね!
まず相手の話を聞いて親近感を生み出すと、
相手はあなたの言うことを聞いてみようという気持ちになるのです。
信頼感

伝わる構造の最後は信頼感です。
例えば、ユニクロを展開する「ファーストリテイリング」社長の柳井 正 氏にはこんな名言があります。

「成功の陰には必ず失敗がある」
実績を残している経営者の言葉としてすごく深みを感じますよね。
一方で、会社でいつも失敗ばかりしている人がこう言ったらいかがでしょう。
「僕が今している失敗は、将来の成功につながるはずです」

正直「この人なに言ってんの?」と思いませんか
ですが、両者の発言を比較してみると、趣旨としてはほぼ同じことを言っています。
伝えるうえでは「何を言うか」と同じくらい
「誰が言ったのか」、つまり伝える人の「信頼感」が大切なのです。
ただ、信頼感は一朝一夕で築けるものではありません。
- 日ごろから誠実に対応する
- 実績を積み上げる
といった積み重ねの上に形成されていくものです。
その意味で今回紹介した7段構造の中で最もレベルが高い要素といえます。
逆に「信頼感」が築けていれば、ほかの6段の要素が多少おざなりでも
伝わってしまうこともあります。
以上が、伝わる7段構造です。
まとめ
今回は、伝わる技術を学ぶ前段階として、
「伝わる7段構造」を紹介しました。
- ゴール設定
- 納得感
- 相手ベース
- 見える化
- 聞く力
- 親近感
- 信頼感

まずはゴール設定からやってみようかな!

伝わるの全体像が把握できたので、
次回の記事はいよいよ具体的な伝わるテクニックを紹介していきますよ!
以上、凡才でした。
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