こんにちは、凡才です。
前回は、ファシリテーターの役割と最重要となるアジェンダについて紹介しました。
アジェンダの重要性と、書き方についてイメージしていただけたのではないでしょうか。
今回は第4回として、問題解決のための議論の進め方とステップについて説明します。

問題解決の会議ってどう進めるの?

ファシリテーターは、どんなことを言えばいいの?
という方に役立つ記事です。
ぜひ最後までお読みください。
引き続き参考書は「ゼロから学べる!ファシリテーション超技術」です。

問題解決のステップ

初めに結論からお伝えします。
目指すべき問題解決のステップは以下のようなものです。
- 問題発見
- 原因分析
- 解決策の選定
- 計画の策定
いかがでしょう。
こうして書き出してしまうと、
「当たり前のことじゃないか。うちはちゃんとやってるよ」
と思われる方もおられるかもしれません。
しかし、実際は多くの会議でこのステップが踏まれていません。
よくあるのが、「原因分析」のステップを踏まずに、いきなり解決策を話し合うパターン。
原因をしっかり洗い出してはっきりさせておかないと、「原因」を話す人と「解決策」を話す人が混在して議論に収集がつかなくなります。
例えば、以下のような流れが典型です。
業績が低迷している状況を解消するにはどうするか (問題)
Aさん「営業に力を入れた方がいいのでは?」 (解決策)
Bさん「営業じゃなくて、人手不足を先に解消すべき」 (原因)
Cさん「人手不足じゃない。残業が多いからパフォーマンスが落ちている」 (原因)
Dさん「マーケティングをもっと活用しよう」 (解決策)
Eさん「お客様へアンケートをとってみては?」 (解決策)
こんな感じで、「問題」から一気に「解決策」を出そうとすると、「原因」と「解決策」まぜこぜの発言になり、たいてい結論にたどり着けません。

「原因」は「原因」、「解決策」は「解決策」
混ぜるな危険!ということです
そうならないために、ここから、問題解決のステップを詳しく見ていきましょう。
問題発見
「問題」を解決するには、何よりも問題をしっかりとらえることが必要です。
そして問題を捉えるには、「現状」を網羅的に把握するのが大切です。
なぜなら、「問題」とは「現状」と「あるべき姿」とのギャップだからです。
網羅的に把握するには、できるだけ参加者全員から意見を引き出すことが大切です。
1人で見えている部分がわずかでも、数人分集まればかなり網羅的で立体的になるからです。
例えば、「部門間連携不足を解消する」会議のファシリテーターなら、次のような聞き方が良いでしょう。

部門間の連携が悪いと感じる部分をありったけ教えてください
現状の洗い出しが終わったら、次は「あるべき姿」を出していきます。
以下のような聞き方が良いでしょう。

こんな連携ができたら最高!と思える状態を教えてください
こうして「現状」と「あるべき姿」を見比べてギャップを考えます。
それが考えるべき「問題」になります。
原因分析

問題が分かったら、次に「原因分析」に移ります。
冒頭に述べたように、多くの会議でこのステップを踏まないために議論が混沌としてきます。
ここでは原因を洗い出して、その中から主原因を特定します。
例えば、以下のように問いかけます。

現状とあるべき姿が乖離している「原因」をありったけ洗い出してください
こうして洗い出した中から、最も影響が大きい主原因を特定します。
すべての原因を解決するのが理想ではありますが、多くの問題は複数の原因が複合的に絡まって起こっていることが多いため、すべてを扱おうとするととても時間がかかってしまいます。
それよりも影響が大きい原因を解決するほうがはるかに効率的で結果も出やすくなります。
解決策の選定

原因の特定まで終わったら、やっと解決策の選定に移ります。
ポイントは、先ほど特定した主原因のみを扱うこと。
「問題」を解決するときは、「問題」に対する解決策を考えるのではなく、「原因」に対する解決策を考えましょう。
例えば、「部門間連携が不足している」主な原因が「情報共有する機会が少ない」ことだったとします。
ファシリテーターなら、以下のように問いかけると良いでしょう。

情報共有するためのアイデアをありったけ出してください
ここでのポイントは、出てきたアイデアの良し悪し評価はせずに、自由な発想で考えることです。
こうして洗い出されたアイデアの中から、実現可能性や予算等と照らし合わせて実際に取り組む解決策を1~2つに絞り込みます。
これで、「原因」に対して取り組むべき「解決策」を決めることができます。
この考え方は、相手の発言を上手に聞くテクニックにも通じるものがあります。
計画の策定
決まった「解決策」は、その場で目標を設定し、「タスクの洗い出し」と「役割分担」も行ってしまいましょう。
そうすることで、会議後すぐに参加者それぞれが行動を起こすことができます。
目標を設定するときは、5W1Hを基本として考えていきます。
目標が明確になったら、達成のためにやるべきこと(タスク)を洗い出します。
このとき、1人で考えるよりも参加者と一緒にやる方が効率的です。
その方がヌケ・モレを防ぐことができるからです。
例えば、以下のように問いかけます。

「他部署の仕事を体験する」を実行するためのタスクを洗い出してください
ここまでくれば、あとは役割分担してしまえば仕事をスタートできます。
問題解決ためには、ここまでの4ステップをしっかり踏む必要があるのです。
まとめ
今回は、会議のキモである「問題解決のステップ」について紹介しました。
- 問題発見
- 原因分析
- 解決策の選定
- 計画の策定
一見回り道に見えますが、「原因分析」のステップを入れることで、精度の高い結論までたどり着くことができます。
ぜひ、日頃の会議でもこのステップを意識してみてください。

議論の迷走が減らせるはずです!
以上、凡才でした。
よろしければ次の記事もご覧ください。
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