こんにちは、凡才です。
ロジカルシンキングの第1ステップとして、根拠を考えることが土台になるとお伝えしました。
今回の記事では、どうすればロジカルに根拠を考えられるのか、
具体例を交えながらやり方を紹介していきます。

意見を出しても、「根拠は?」に答えられなくて受け入れてもらえない…

どういう考え方をすれば理由付けできるの?
という方に役立つ記事です。ぜひ最後までお読みください。
参考書は以下です。
根拠の考え方3選
はじめに結論です。
ロジカルに根拠を考える方法は以下の3つです。
- 具体化する
- 立体的に考える
- 都合の悪い情報を探す
順番に見ていきましょう。
具体化する

「具体的に示せ」と言われた経験がある方は多いと思いますが、
どういう点に意識すれば具体的になるのでしょうか。
ポイントは3点です。
- 主観ではなく客観的事実を使う
- 根拠の構成要素ごとに具体化する
- 具体化の方向性は「定量化」と「状況の提示」
ここからは具体例を挙げて紹介します。
あなたは社外研修の訪問先を決めなければなりません。どちらの主張が説得力があるでしょうか。
①多くの人が行きたいと思うので、訪問先はA社が良い
②多くの人が行きたいと言っていたので、訪問先はA社が良い

この場合、説得力が高いのは②の方ですね!
なぜなら、①は行きたいと思うという「主観」、②は行きたいと言っていたという「客観的事実」によっているからです。
多くの人に納得してもらえるのは、主観より客観的事実です。
根拠は客観的な情報を示すようにしましょう。
ただし、②の主張もまだ具体化することができます。
②の主張は「多くの人」と「A社に行きたいと言っていた」という2つの要素から成り立っていますが、
このそれぞれの要素について、「定量化」「状況の提示」によってより説得力を高めることができるのです。
「定量化」「状況の提示」を、さらに具体化させるポイントがありますので、紹介します。
- 数値を示すこと
- 数値の評価基準(全体数、他の選択肢との比較など)も合わせて示すこと
研修参加を希望する100名(評価基準)のうち、65%(数値)の人がA社訪問を希望している
という感じです。
数字を示したうえで、その数字が良いのか悪いのかある程度判断するための情報も盛り込みます。

同じ65%と言っても、そもそも研修参加の希望者が3人しかいないうちの2人であれば、
研修の実行そのものの是非を議論しなければなりません
- 対象の類似性を示す
- 時間の近接性を示す
同業者の社外研修を多く受け入れており(類似性)、昨年(時間の近接性)も11社がA社を訪問している
という感じです。
このように考えがある程度まとまった段階から、「もう1歩2歩深めて考える」という姿勢を常に持つことが大切です。

立体的に考える

思いついた要素を起点に横に発想を広げ、
さらに意味合いを1段上げることで立体的に根拠を組み立てられます。
ここでも例を挙げます。
重要な新規プロジェクトメンバーを各部署から1人選出することになりました。
あなたはAさんが適任だと考えており、その理由を説明したい。
まず最初に、「Aさんは実績がある」という根拠を思いついたとしましょう。
しかし、これだけでは根拠として不十分なので、
これを起点として発想を横へ広げます。
このときのポイントは以下の2つです。
- その前提は何なのか?と問いかける
- それだけで十分か?を問いかける
「実績」があることについて、「その前提は何か?」を考えましょう。
例えば過去にプロジェクトを経験した、「環境が似ている」という前提が考えられます。
これで、根拠を広げることができました。
次に「それだけで十分か?」を考えます。
「実績」だけでプロジェクトは回りませんので、
例えば、他に「能力がある」という要素を思いついたとします。
これらについて、先ほどと同様に「その前提は何か?」と発想を広げてみました。

最後に1段要素を抽象化して、根拠を「縦」に広げます。
実績があって環境が似ているとはどういうことか、
能力もやる気もあるとはどういうことか、
という風に考えます。


「経験が活きそうで、本人の状態も良いので、Aさんが適任」という根拠づけができました
このように、思い付きを起点に「横」に広げた要素を意味合いで「縦」に広げることで、
立体的な根拠を作ることができます。
都合の悪い情報を探す
多くの人は、自分の主張に都合がいい情報だけを根拠としてあげます。
しかし実は、都合の悪い情報を集めることで、根拠を強めることができるのです。
ここでのポイントです。
- 言いたいことを要素に分解する
- 要素ごとに逆側でそうなっていないことを確認する
具体例で説明します。
あなたは商品管理を担当していて、「商品Aがネット経由でよく売れている」という感覚を持っています。これを説得力をもって他の人に説明したい。
多くの人は「商品Aと他の商品の売り上げ比較」ぐらいしか示さないですが、
それだけでなく、あえて逆側の情報も示してみると説得力が増します。
今回言いたいことは「商品A」が「ネット経由」で売れているということです。
なので「商品A」「ネット経由」という2つの要素に分解できます。
この2つの要素それぞれで逆側の場合を調べてみます。
つまり「商品A以外」「実店舗」での売り上げもそれぞれ示してみましょう。
その結果が、例えば以下のようになったとします。

「商品A」の「ネット経由」が他の場合より数値が高いので、
感じていた通り「商品Aがネット経由で売れている」と結論づけられそうです。

単純に商品Aの売り上げだけを示すより、根拠が強められたね!
しかし、これが例えば次のような結果だと、解釈は変わってきます。

この場合は、「ネットでよく売れている」という結論になります。

根拠づけだけでなく、「何が起きているのか」を明確にするためにも
不都合な情報を探すのは有効です!
まとめ
今回は、ロジカルに根拠を考える3つの方法を紹介してきました。
- 具体化する
- 立体的に考える
- 都合の悪い情報を探す

具体化は普段からやってたけど、
あえて言いたいことと逆の情報を探すっていうのは意外だった!

無意識にできていることもあったかもしれませんが、
意識するとより説得力のある根拠が示せるようになりますよ!
参考書では、さらに発展的な根拠の考え方にも触れられていますので、
気になった方はチェックしてみてください
以上、凡才でした。
よろしければ次の記事もご覧ください。
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