こんにちは、凡才です。
アイデアを思いつく方法として、前回は「シックスハット法」を紹介しました。
どういう風に活用すればいいか、イメージしていただけたのではないでしょうか。
今回はアイデア発想法の第3弾、「マンダラート法」について具体例とともにやり方を紹介します。

マンダラートって何?

具体的にどうやって使うの?
という方に役立つ記事です。ぜひ最後までお読みください。
引き続き参考書は「アイデアを脳に思いつかせる技術」です。

マンダラート法とは

マンダラート法(マンダラチャートとも呼ばれる)とは、
3×3の9マスから、発想を広げていく手法で、
「発散的思考」という頭の使い方を利用した発想法と言われています。
発散的思考とは、考えるテーマに対して検討の範囲を広げていく発想法のことです。
具体的な着地点を目指すのではなく、
視点を広げることが求められる発想の初期段階に効果的です。
発散的思考を使った最も代表的な発想法は、
皆さんもご存じであろう「ブレインストーミング」です。
ブレインストーミングではかなり思考の広がりの幅が大きいですが、
マンダラート法では細かくテーマを区切ることで、発想に慣れていない人でも取り組みやすくなっています。

大谷選手の活躍で、マンダラートもクローズアップされました
マンダラート法を考案したのは、デザイナーであり、
現在は(株)ヒロ・アートディレクションズの代表も務める今泉浩晃氏です。

デザインコンサルタントとして、人間社会の課題をデザインで解決することを目指し、
「商品」「経営」といった異分野とデザインとの融合を進めました。
そんな中、「思考」のデザインとして1987年に考案したのがマンダラートだったのです。
やり方と具体例
ここから、マンダラート法のやり方についてです。
3×3の9マスが書かれた紙を数枚用意します。
最初に、真ん中のマスに考えるべきテーマを書き込みます。
そして、周りの8マスに真ん中のテーマから連想できること、関連すること、思いついた言葉などを入れていきます。
8マスしかないので、頑張って考えて空欄は残さないようにしましょう。
次に、先ほど考えた8つの言葉の中から気になるものを1つ選び、新しい9マスの中央に書き込みます。
あとは同じように、真ん中の言葉から思いつく単語をまわりの8マスに埋めていきます。
ちなみに、次の紙の真ん中に書く「気になる言葉」は、どれでもOKです。
余裕があるなら、8つの単語すべてで新しい9マスを埋めてみても良いです。
これで、1番最初の9マスと、そこからできた2代目の9マスができました。
これをもう1度、3代目の9マスまで埋めてみましょう。
そして、テーマと3代目に埋められた言葉を見比べると面白い発想が浮かんできます。

いよいよ実践です。お題は「新規オープンする魅力的なケーキ店を企画する」ことにします。
記念日 |
サプライズ |
デコレーション |
バイキング |
[Start]ケーキ |
イチゴ |
クリスマス |
クリームまみれ |
オーダーメイド |
絶望感 |
幸せ |
胃もたれ |
保湿・洗顔 |
[Start]クリームまみれ |
生クリーム |
シュークリーム |
泡立て |
皿 |
太田胃散 |
年取った |
焼肉 |
食べすぎ |
[Start]胃もたれ |
気持ち悪い |
油分 |
食欲ない |
甘甘なセリフ |
さあ、ここまで出来たら3代目の9マスに入った言葉のいくつかとテーマを組み合わせてみましょう。
太田胃散ケーキ:漢方入りのケーキ?漢方由来の材料で作ったケーキとか?食べれば健康になれそう
焼肉ケーキ:フルーツの代わりに焼肉を挟んだケーキ?そのままじゃなくて、焼くことでよりおいしくなるケーキを出すとか?
食欲ないケーキ:食べなくても味わえるケーキ?ケーキ味の飲み物を提供?
普通のやり方ではなかなか思いつかないアイデアができました。
このように1つの単語から派生させていくというやり方は、
以前の記事でご紹介した「しりとり法」と共通しています。
しかし、しりとり法では「音のつながり」のみで「意味のつながり」がなかったのに対し、
マンダラート法では、派生元の言葉との「関連」や「連想」といった意味のつながりが残ります。
ある単語をきっかけとして「ピンとくる」という感覚を頼りに発想を広げていく手法なのです。

自分の直感を信じて、どんどん発想を広げていきましょう
マンダラート用の紙が用意できない!という方は、
デジタルツールを使うのがおすすめです。
Officeのライセンスをお持ちであればExcelを使うのも手ですが、
ブラウザ上で無料で使えるツールもあります。
マンダラート法を使うメリット
立命館大学で建築系の大学生・大学院生100名を対象にした調査によると、
マンダラート法の発想には以下のような効果があることが報告されました。
- 手法そのものが手軽で使いやすい
- 思考が発散していくことで、アイデアの量が増える
- アイデアをブラッシュアップすることができる
- 意見を共有したり組み合わせたりすることができる
また、マンダラートを用いるとき、マインドマップと併用すると
さらに効果を高められることもわかっています。
国語の授業で、マインドマップで情報の整理をしてからマンダラートに変換すると、
自分の思考の視覚的な整理・分類がやりやすくなったという報告もあります。
まとめ
発想法の1つである「マンダラート法」について紹介してきました。
3×3マスの中央にテーマを書き、周りの8マスにそこから連想する単語を埋めていく方法
想像力を押し広げるという面では「しりとり法」の方がシンプルかつ確実ではありますが、
自分の感性や関心に基づいて発想を広げたいときには、大変有用な方法です。
以上、凡才でした。
よろしければ次の記事もご覧ください。
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