こんにちは、凡才です。
前回の記事では、参考書「博士の愛した数式」から少し深掘りして、
「生活に使えるかもしれない数式」について紹介しました。
ちょっと数式おもしろいかも…とおもっていただけた方はおられますか?
しかし、もしかしたら中にはこんな方もおられたかもしれません。

実用的な式はもちろんありがたいんだけど、
もっと有名な数式の知識を披露して
博識な感じを存分に見せつけたいんだ!
今回は、そんなワガママなあなたのドヤリティ(造語です)を高める
「有名な数式」について、いくつか紹介します。
科学、数学の世界で有名な式と、それが意味するものやエピソードなどを紹介していきます。

もちろんですが、数式の証明などの込み入った話はしません!
そもそも私ごときでは来世まで費やしても証明できませんし、
記事としても面白くないので(笑)
あくまで読み物の1つとして、気楽にお付き合いください!
引き続き、参考書は以下です。
それでは、めくるめく数式の世界をのぞいてみましょう!
有名な数式4選
今回紹介する有名な数式は、以下の4つです。
- (タイムマシーンの根拠!)特殊相対性理論の「時間の遅れ」
- (約300年間解かれなかった難問)フェルマーの最終定理
- (数学界で最も美しい式)オイラーの等式
- (虚数とかsin,cos,tanって役に立つ?に結論)クォータニオン
順番に見ていきましょう。
特殊相対性理論の「時間の遅れ」

アインシュタインの代名詞ともいえる「相対性理論」。
名前は知ってるけど、実際の内容って概要すら知らないですよね。
この式は、「特殊相対性理論」の中にある数式です。
$$\Delta t` = \sqrt{1-(\frac{v}{c})^2} \Delta t$$
Δt`:宇宙船内での時間の刻み幅
Δt:地球での時間の刻み幅
v:宇宙船の速さ
c:光速

なに!?急に宇宙船とか出てきたけど、
いつの間にスペーストラベルしてたの!?
と思われるかもしれませんが、仮定の話です。
この数式が伝えているのは、ざっくりいうと
移動速度が光速に近づくほど、中の時間の流れはゆっくりになる
ということです。
この数式がタイムマシーンの理論的根拠!
もうずいぶん前になりますが、光速を超える速さが検出されたとして
「ニュートリノ」という物質が世間をにぎわせました。
(実際は、測定機器の誤差による誤りだったと翌年に発表されています)
そして当時、その話題のニュースになると、
「タイムマシンが実現できる可能性が出てきた」という話がよく出ていました。
でも、ほとんどの人からすると

光の速さとタイムマシンがどう関係するの?
と疑問に思ったのではないでしょうか。

私は当時、高校生でしたがもちろん意味が分からなくて、
物理の先生に聞いてみたところ、この特殊相対性理論のことを
ざっくり教えてくれました
この「時間の遅れ」の式に従うとすると、
物質の移動速度が光速に近づくほど、中の時間の流れはゆっくりになる。
ということは、光速を超える速さであれば時間は巻き戻るのでは?という発想のようです。
なんとも夢のある話ですね。
しかし、同時にアインシュタインは「真空中で光より速い物質は存在しない」とも言っているそうですし、
光速を超える速さで移動されたら、中にいる生物も無事ではいられません…
以上のことから、タイムマシンは
「原理的にはできる可能性があるけど、物理的には無理」というのが実際のところのようです。
フェルマーの最終定理

何となく名前だけは聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか。
実は内容そのものは、中学生でも理解できるようなシンプルなものです。
nが3以上の自然数であるとき、
$$x^n + y^n = z^n$$
を満たす自然数(x, y, z)は存在しない
いかがでしょう。どういう内容かはお分かりいただけるのではないでしょうか。
n=2のときは、皆さんおなじみの「三平方の定理」になります。
それがnが1増えるだけで、満たすような自然数が存在しなくなるというのです。
ただ、シンプルな内容ではあるものの、これを証明するとなると話は別で、
なんとこの命題が発見されてから300年以上にわたって、
誰も証明できない問題になってしまいます。

でも「フェルマーの」ってついてるんだから、
フェルマーは証明できてたんじゃないの?
と思われるかもしれませんが、この命題が発見されたフェルマーの書物に記されていたのは、
たった1文、
「私はこの命題について、真に驚くべき証明を見出したが、それを記すにはここはあまりに余白が足りない」
しかも、フェルマーの死後も、
この証明が記されたような書物が見つからなかったのです。

「衝撃の展開!」ってさんざん引っ張っておいて、
途中で打ち切られたTVドラマみたいな後味

一連のエピソードから察するに、
フェルマーは私とはお友達になれない(なりたくない)
タイプの人だったと予想できます
あなたはどうですか?
なぜ「最終」定理なの?
ちなみに、なぜフェルマーの「最終」定理と呼ばれるのでしょうか。
実は、この問題が書かれていたのは、
フェルマーが問題集に注釈のような形で書き込みをした本で、
これ以外にも全部で48の注釈が記されていました。
フェルマーの死後に発見されたのち、世界中の数学者が続々と内容の証明に取り組みましたが、
最後の最後、この1問だけが誰も証明できませんでした。
最後に残った命題なので「最終」定理と呼ばれています。
※厳密には数学の世界では、「正しそうだけど証明はできていない命題」を「予想」と呼び、
「予想」が証明されると「定理」になります、
なので、「フェルマーの最終予想」と呼ぶのが正しいですが、
あくまでフェルマー自身は「証明した」と主張しているので、
「定理」と呼ばれていたようです。

数学界最大の忖度では?
この「フェルマーの最終定理」をめぐる数学者たちの戦いは、
以下を読んでみると深く知ることができます。
また、上の書籍をもとに、
中田敦彦さんのYouTubeでもわかりやすくお話されていますので、
興味が湧いた方はチェックしてみてください。
(前後編合わせて1時間程度あるので、お時間のあるときにどうぞ)
オイラーの等式

この数式は、
今回の参考書である「博士の愛した数式」の本文中にも登場します。
$$e^{i\pi} +1 = 0$$
かなりシンプルな形の式です。

急に出てきたeってなに?
という方のために説明しますと、
eは「ネイピア数」と呼ばれるもので、細かい説明は省きますが、
円周率πと似たように「小数点以下が無限に続く(2.71828…)」「数学的に重要な定数」です。
これと、円周率π、虚数iがシンプルな等式でつながるということを示している等式です。
このオイラーの等式は、結論として得られる形のシンプルさから
「数学史上最も美しい等式」と呼ばれます。
といっても、実際にe=2.718…とπ=3.141…を代入しても、
成り立つものではなく、実用性という面では
「見て愛でる」以外の使い道は特にないようです。
それよりも、この等式を求める過程で出てくる「オイラーの公式」の方が、
物理学の世界で大きな実用性があるとのことです。
$$e^{i\theta} = cos\theta + i sin\theta$$
三角関数を指数関数として扱えるため、微分方程式を扱う場面で非常に重宝される式です。

具体的な使い道は私自身もよくイメージできませんが(笑)
クォータニオン
多くの皆さんが経験したとおり、高校数学に閃光のごとく現れ、
終始、我々の頭をかき乱してくるのが、
「虚数」と「三角関数(sin cos tan)」です。

「これが社会でどう役に立つんや!」と疑問を通り越した憤り
を感じるのはすべての高校生が通る道ではないでしょうか
実は2021年にある企業が、この全高校生を悩ませる疑問に1つの答えを示してくれました。
その企業は「SEGA」
ゲームセンターでおなじみの会社ですね。
2021年6月、SEGAの公式ブログにて、社内勉強用の資料が公開されました。
そこには虚数iやsin cosがびっしり!
なんと、みんな大嫌いな虚数やsin cosが、
みんな大好きなゲームの裏側で活躍している、というのです。
虚数とsin cosの組み合わせで表現される
「クォータニオン(四元数)」と呼ばれるものが、
3Dゲームにおける視点の回転を計算するのに使われているそうです。
$$(w`+ix`+jy`+kz`) = (wcos\theta – xsin\theta) + i(wsin\theta + xcos\theta) $$
$$+ j(ycos\theta – zsin\theta) + k(ysin\theta + zcos\theta)$$

学校の授業で、ひと言でもこういう使い方の話をしてくれれば
習う側のモチベーションも変わってくると思うのですが…
これから虚数や三角関数を学ぶ人は、こういう使い道もある知識なんだ
とイメージしながら勉強すると興味が出てくる!…かも。
まとめ
今回は、前回に引き続き「博士の愛した数式」から深掘りして、
「知っていると自慢できるかもしれない有名な数式」について紹介しました。
- (タイムマシーンの根拠!)特殊相対性理論の「時間の遅れ」
- (約300年間解かれなかった難問)フェルマーの最終定理
- (数学界で最も美しい式)オイラーの等式
- (虚数とかsin,cos,tanって役に立つ?に結論)クォータニオン

何となく数式への拒絶反応が落ち着いたかも!

意外と好きにはなれなくても、
「嫌いではない」ぐらいまで持っていければ
勉強は苦にならなかったりすることもあります
「数学が苦手で、1人では厳しい」「子どもに数学頑張ってほしい」という方には、
数学専門のオンラインスクール「数強塾」がおすすめです。
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体験レッスンから始められるので、気になった方はぜひご検討ください!
また、参考書も面白いので、気になった方は是非。
以上、凡才でした。
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