こんにちは、凡才です。
ロジカルシンキングには、4つのステップがあるとお伝えしました。
そして、第1ステップの「根拠を考える」について以下の記事で紹介しました。
今回は第2弾、「起きていることを正しく認識する」ための分析手法について紹介していきます。

ロジカルな分析ってどういうもの?

どうすれば起きていることを正しく認識できるの?
という方に役立つ記事です。ぜひ最後までお読みください。
参考書は以下です。
ロジカルな分析手法はこの4つ!
はじめに結論です。
ロジカルな分析手法は以下の4つです。
- 角度を変える
- 幅を変える
- 経緯をみる
- 分ける
順番に見ていきます。
角度を変えてみる

視点を変えてみる、と言い換えることもできます。
この時のポイントは3つです。
- 縦に見てみる
- 横に見てみる
- 斜めに見てみる
具体例で説明します。
ある月の営業部社員AさんとBさんの売り上げが次のようになりました。

この表からどんなことが読み取れるでしょうか。
まず、「縦」に見てみましょう。
商品Xと商品Yを比べてみると、合計金額に違いがあるのが分かります。
このことから、「なぜ商品Yは商品Xより売れているのか」という問題が見えます。
次に「横」に見てみましょう。
AさんとBさんの合計金額は一緒ですが、内訳は違いがあります。
「なぜAさんとBさんで内訳が違うのか」という問題が見えました。
最後に、「縦」「横」を掛け合わせて「斜め」に見てみましょう。
Aさんは商品Xと商品Yの差が10万円程度なのに対し、
Bさんは商品Xと商品Yで30万円もの差があります。
このことから「なぜBさんは商品XとYの差が30万円もあるのか」という問題も見えてきました。
1つの表からでも、視点を変えることで3つの問題を見つけることができました。
同じ情報でも、どの視点で見るかによって問題は変わるのです。

こんなに何個も問題見つけても、全部について考えるわけじゃないでしょ?
意味あるの?

「どれを深掘りするか」は次のステージの話です。
まずは、問題を複数認識することが大切なのです!
考え方によってはこれ以上に見つけることもできますが、
「少なくとも3つの視点」で情報を見て、視点を変えることを意識してみましょう。

「縦」「横」「斜め」とみるべき視点が明確になっていると、
スムーズに切り替えて問題が見つかりそうですね!
幅を変えてみる

どうしても私たちは、扱いやすい幅でデータをまとめがちですが、
幅を変えることで違ったことが見えてくることがあります。
ポイントは以下の3つです。
- 全体のデータ幅を確認する
- 全体を大きく4~8ぐらいに分けられる幅を考える
- 複数のグラフで見え方を確認する
具体例で説明します。
ある部署の年代別構成比を調べると、以下のようになりました。

幅を変えると、どんなふうに見えるでしょうか。
20代、30代、40代、50代がそれぞれ5人ずついることが分かります。
全体のデータ幅が20~60の40なので、次に8ずつに区切ってみると、
以下のようになりました。

20~28歳と36~44歳が、ボリュームゾーンであることが見て取れます。
最後に4ずつに区切ってみると、以下のようになりました。

8ずつのときとは異なり、52~56歳がボリュームゾーンになりました。
このことから、20代、30代、40代は全体的に分布しているのに対し、
50代は、ほとんどが52~56歳の間にいることが分かります。
このように、同じデータでも区切る幅を変えることで見え方と印象が違います。
ただ、これは「いくつの幅が良い」という話ではなく、
「幅によって見え方と解釈が変わる可能性がある」ことを理解してほしいということです。

確かに最後のグラフを見せられたら、50代が多いのかなって思っちゃう!

要は、言いたいことに合わせて見せ方を変えられることもあるということです
元となるデータが同じであれば、どのグラフも間違っていませんからね
無意識に私たちは5ずつ、10ずつといった区切りでまとめてしまいますが、
それは単にキリが良いからというだけの理由でしかありません。
いろんな幅で刻む「試行錯誤する」姿勢を忘れないようにしましょう。
経緯を見る

これはある程度意識されている方も多いと思いますが、
今の情報だけでなく、見る範囲を広げて「傾向」を調べるようにしましょう。
例えば、四半期のうち第4期の売り上げが100万円だったとしても、
以下の3パターンで考えるべきことは変わってきます。



左の場合、第3期まで一定だった売り上げが落ちていることから、
「第4期で売り上げが下がった要因」を探す必要があります。
真ん中の場合、第3期でのみ売り上げが上がって、第4期で元に戻っています。
「なぜ第3期で売り上げを上げられたのか」を考えると何か分かりそうですね。
右の場合、すでに減少傾向にあったものが第4期で落ち幅が大きくなっています。
「なぜ減少傾向が続いているのか」「なぜ第4期で減少幅が大きくなったのか」
を調べる必要がありそうです。
このように、第3期、第4期だけの情報で見るよりも、
第1期からの経緯を見ることでフォーカスすべき点を正確に決めることができます。
経緯を見るときは、以下のポイントに気を付けましょう。
- ある程度まとまった期間の情報を見る
- グラフ化して傾向をつかむ

意識してないと、前月比とか前年比みたいな短いスパンで判断しちゃいがちだよね!

それだけでも何かの傾向は見えると思いますが、
範囲を広げるからこそ見えてくることもある!ということですね
分ける

最後の方法は、いろんなカテゴリで分けてみるというやり方です。
ある分け方では特徴が現れなかったデータが、別の切り口で分けると傾向が現れることがあります。
例えば、あるイベントの来場者数が、以下の表のようになったとします。

平日、週末、合計ともに先週から10%減です。
すべての要素で同じ傾向なので、特徴的なことはわかりません。
そこで、今度は「個人客」と「団体客」という切り口でデータを分けてみると以下のようになりました。

この切り口で分けてみると、先週から今週にかけての来場者の減少は、
すべて個人客の減少によるものであることが明らかになりました。
「なぜ個人客の来場者が減ったのか」を調べることで、要因が見えてきそうですね。

こういう分け方をするためには、主催者側はいろいろな情報が必要になるね

そうです!よくイベントに行くとアンケートの記入を求められるのは、
後々このような分析に使う情報を集めるためなんですね
このように、ある切り口で特徴が見えなくても、
別の切り口で分けてみると特徴的な傾向が現れることはよくあります。
大事なのは、「1つの切り口だけで分けるのをやめないこと」
そして、「傾向が見えた後も、別の切り口で違った傾向が見えないかを試してみること」です。
- ある切り口で分けてみる
- 別の切り口でも分けてみる
現実の事象は、複数の要因が合わさって起こっていることがほとんどなので、
1つの傾向だけを捉えても十分ではありません。
「もっと別の切り口で何か見えないか」を常に探求する姿勢を持ちましょう!
以上、「角度を変える」「幅を変える」「経緯をみる」「分ける」の4つが、
ロジカルシンキングにおける基本的な分析手法です。
まとめ
今回は、ロジカルシンキングにおける第2ステップ
「起きていることを正しく認識する」ための分析手法を4つ紹介しました。
- 角度を変える
- 幅を変える
- 経緯をみる
- 分ける

具体例もあったし、自分でもできそうな気がする!

慣れてくると、意識しなくても自然に4つの手法を使えるようになりますよ!
意識して練習してみましょう
参考書には、さらに実践的な実践例も多数紹介されています。
気になった方はチェックしてみてください
以上、凡才でした。
よろしければ次の記事もご覧ください。
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